

ボレイ(牡蛎)
基源
カキ Ostrea gigas Thunberg
(イタボガキ科 Ostreidae)の貝がら。
【学名】カキ Ostrea gigas Thunberg (Ostreidae)
【生薬名】牡蛎(ボレイ)
【薬用部】貝殻(日本薬局方収載)
ボレイ(牡蛎)とは?
ボレイ(牡蛎)は、カキ(Ostrea gigas Thunberg/イタボガキ科)の貝殻を用いる日本薬局方収載の生薬です。食用となる内臓部を除いた貝殻部分を、薄い小片に砕いた「ボレイ細品」や、細かく粉末にした「ボレイ末」として用い、抗不安薬、制酸薬、あるいは安中散などの漢方処方薬に使用されます。主成分は炭酸カルシウムで、医薬品原料・食品添加物原料としても広く利用されている生薬です。
ボレイの形状と特徴
ボレイは食用部分の内臓部を除いたカキ「oyster(オイスター)」の貝殻部分で、不整に曲がった葉状を示し、完全な形のものは長さ6 ~ 10 cm、幅2 ~ 5 cm、上下2片からなります。上片は平坦、下片はややくぼんでその辺縁は共に不整に屈曲し、互いにかみ合います。外面は淡緑灰褐色、内面は乳白色を示します(写真1)。
写真1 ボレイ
ボレイ細品・ボレイ末としての利用
しかし生薬としてボレイを貝殻のまま使用することはなく、薄い小片に砕いたボレイ細品(写真2)として用います。医薬品としては細末~微末に細かく粉末としたボレイ末としての利用が多く、抗不安薬、制酸薬あるいは安中散などの漢方処方薬に使用されます。
いずれにしても医薬品として使用するには、におい、味がほとんど無いように汚れをよく落とすことが求められ、日本薬局方では『水可溶物』、『酸不溶物』などに厳しい規格が設けられています。
写真2 ボレイ細品
医薬品原料、食品添加物原料としての使用
ボレイは炭酸カルシウム(CaCO3)が主成分でその80~95%を占めます。1,000℃程度に焼成して酸化カルシウム(CaO)に変換して工業原料にする、あるいはクエン酸カルシウムに変換して医薬品原料、食品添加物に使用することが多い生薬です。
<文献>
生薬学(南江堂)
第十九改正日本薬局方(PMDA)
漢方生薬学(甘棠社)
新古方薬囊(方術信和會)
日本薬園史の研究(渡辺書店)
